生き延ばしの森
監督 髙梨 彩夢


 
 

森を巡る映画祭

出演
田之本 樹
松崎 円威志
 
撮影
髙梨 彩夢
 
撮影・録音・編集協力
田之本 樹
 
脚本・編集・監督
髙梨 彩夢

〇制作について

この映画を作るにあたって、参考になった作品があった。『fauve(野獣)(2018Jérémy Comte)という映画で少年2人がふざけあっているうちに1人が沼にはまってしまい、死の危機に瀕するというあらすじだ。制作を始めた時点では高校時代に撮影していたアクション映画の経験から、生命と銃の要素を結び付けて「森の中で誤射してしまい、くだらないながらも命について考える死に際。」という映画を作ろうと思い立って進めていた。脚本を完成させるまでこの映画に影響されている自覚はなく、最近見た良い映画としてキャストとして誘った2人に『fauve』を勧めて見せたのだ。これが功を奏してか脚本完成後に共通の空気感やイメージについて方向性を固めることができた。
 


〇森の位置付け

この作品は基本的に現実味を持たせたかったが銃の登場を自然にすることが難しかった。そこで相性が良かったのが森というロケーションである。森は社会から隔離されているイメージでそこには法律や人間の決め事は通用されないという解釈を持った。そして設定上では祖父の形見であり帰省の際に友達とふざけて持ち出したというような流れである。市街地と違って森では銃を持っていても怪しむ人はいないし観光地のような山でなく帰省の際に行くような私有地であり、銃の持ち主であった祖父が昔遊んだであろう山という設定のロケーションなので他人と遭遇することもなかなかないだろう。そして銃声を聞いて騒ぎになることもないと考えた。このように森は人間の決め事の外側にいる存在だと意味づけた。


〇生命

私にとって生きるか死ぬかなんて死を間近に感じた時ぐらいしか考えないものであった。なので、大学生という役を使って普段死について考えていなさそうないい加減さ、死に際とは思えないのんきでシュールな会話劇を繰り広げたかった。この空気感を保つためにシリアスすぎる感じに仕上げず、森のみずみずしさや生きているような騒々しさを表すシーンを設けて考える時間というものを表現した。

02.


PROFILE

監督 髙梨 彩夢

2005年生まれ
都立工芸高校 デザイン科卒業
 
東京造形大学写真専攻領域在籍
 
主に写真を専攻とし、フィルム調の表現でポートレートやスナップなどを撮っている。デザインや映画製作もたまにやる。
 
活動歴
映画甲子園2024「私たちのStyleで」 ピックアップ賞受賞
監督/藤原 麗奈
撮影/髙梨 彩夢 森田 琉生