音楽を巡る映画祭
人が生きている上で身の回りある環境は全て、その人と密接に関係しているのではないか。
人が環境をつくりだしたり、環境が人をつくる。このように、環境と人は相互関係であると言えるのでないか。
人と環境の相互関係の中には音楽もあるのではないだろうか。環境の中に音楽が入っているイメージである。
いや、音楽はもう人の中に入っているのではないか。
音楽は人間そのものな気がする。自分が聴いてきた、聴いている音楽を振り返ると自分そのものであるから。
そう考えたら「人間と環境」自体が相互関係ではなく、同一であると思った。
出演
吉川侑那
岩倉龍一
録音
笹本陽介
脚本・撮影・編集・監督
鈴木 寿
01.
TRAILER
02.
PROFILE
鈴木 寿
2002年生まれ
東京都出身
東京造形大学 映画・映像専攻
2022年から劇映画を制作
2022
監督作 『ニートと高校生』
監督作 『みなみあざぶへ』
03.
REVIEW
なかむらともみ
『リバーリバース』を観て、音楽を作ってる時の気持ちと重なった。
音楽を作る。
それは鏡を見るのと似てる。
音楽を作ろうとする時は、自分と対峙する時でもある。
私自身はどんな音楽だろう?
私の作った音楽たちは、誰かに成れているんだろうか?
常に生まれ変わり、時に逆戻りしながら進んでいく毎日を、
私を、歌っていたい。
なかむらともみ
下北沢を拠点に活動するロックバンド、「リスキーシフト」のボーカル・ギター・作詞・作曲。
音楽を作る。
それは鏡を見るのと似てる。
音楽を作ろうとする時は、自分と対峙する時でもある。
私自身はどんな音楽だろう?
私の作った音楽たちは、誰かに成れているんだろうか?
常に生まれ変わり、時に逆戻りしながら進んでいく毎日を、
私を、歌っていたい。
なかむらともみ
下北沢を拠点に活動するロックバンド、「リスキーシフト」のボーカル・ギター・作詞・作曲。
04.
COMMENT
岩倉龍一
僕は、この作品、『リバーリバース』で、男を演じた。
彼が何を考えているのか、今、僕にはわからない。
演じている時もわからなかった。
演じながら、「この男は何を考えているんだろう」とか「この男はどうしてヘッドフォンを持っているんだろう」とか、そんなことを考えていても、やはりわからない。
そうやって湧き上がる疑問の中には、こんなものもあった。
「この男はどうして白いシャツを着ているんだろう」
「この男はどうして眼鏡をかけているんだろう」
「この男はどうしてここにいるんだろう」
これらはわかる。
そんなことは、岩倉龍一からしてみれば答えることなど簡単で、正解は「母親からサウジアラビアのお土産として貰った白いシャツを着ている、本の読み過ぎで視力を悪くした岩倉龍一が、友人の鈴木寿から出演を依頼されたから」というものになる。
これが、唯一無二の正解だったはずなのに、僕が映画に出たことで、彼を演じたことで、そうではなくなった。
彼には、僕とは違う正解があるはずだと思った。
僕と彼は、僕が彼を演じた日に、同じ現在を分けあった。
その日、同じ瞬間、同じ言葉、同じ動き、あらゆる「同じ」の中に、僕と彼はいた。
けれども、その「同じ」に至るまでに逆算される過去は、僕と彼とでは全く異なる。
なので、僕が僕として何かを言ってしまった後に、動いてしまった後に、僕は彼の過去を想像した。
考えていること、ヘッドフォンを持っていること、白いシャツを着ていること、眼鏡をかけていること、ここにいること。
わからなくても、いろいろな想像をした。
そうしたら、彼を想像した後の僕は、僕と彼のどちらなんだろうと思った。
どちらかわからないまま、してしまった演技の、その過去をまた想像した。
それを何度も何度も繰り返した。
此岸から彼岸を見つめるような、考え続けるような、演技をした。
思えば撮影の中で、僕だけがあの川の向こう岸に行かなかった。
演技を続けていれば、キャラクターが佇む彼岸に、いつか辿り着く日が来るのかもしれないが、その時、僕という存在はいなくなってしまうんじゃないかと思う。
それは嫌なので、僕はやはり、いつまでも此岸から彼岸を見つめていたい。
わからないまま想像を続けることはとても不安だけど、間に流れる川が、この作品が、僕に勇気をくれる。
岩倉龍一
2002年生まれ 神奈川県横浜市出身
東京造形大学 映画・映像専攻 在籍
【監督作品】
『ひとり、またはふたり』(2022年)
『あさ、大学へ行く』(2023年/共同監督・鈴木寿)
【出演作品】
『Roots grow』(2022年/演出・笹本陽介)
『リバーリバース』(2023年/監督・鈴木寿)
彼が何を考えているのか、今、僕にはわからない。
演じている時もわからなかった。
演じながら、「この男は何を考えているんだろう」とか「この男はどうしてヘッドフォンを持っているんだろう」とか、そんなことを考えていても、やはりわからない。
そうやって湧き上がる疑問の中には、こんなものもあった。
「この男はどうして白いシャツを着ているんだろう」
「この男はどうして眼鏡をかけているんだろう」
「この男はどうしてここにいるんだろう」
これらはわかる。
そんなことは、岩倉龍一からしてみれば答えることなど簡単で、正解は「母親からサウジアラビアのお土産として貰った白いシャツを着ている、本の読み過ぎで視力を悪くした岩倉龍一が、友人の鈴木寿から出演を依頼されたから」というものになる。
これが、唯一無二の正解だったはずなのに、僕が映画に出たことで、彼を演じたことで、そうではなくなった。
彼には、僕とは違う正解があるはずだと思った。
僕と彼は、僕が彼を演じた日に、同じ現在を分けあった。
その日、同じ瞬間、同じ言葉、同じ動き、あらゆる「同じ」の中に、僕と彼はいた。
けれども、その「同じ」に至るまでに逆算される過去は、僕と彼とでは全く異なる。
なので、僕が僕として何かを言ってしまった後に、動いてしまった後に、僕は彼の過去を想像した。
考えていること、ヘッドフォンを持っていること、白いシャツを着ていること、眼鏡をかけていること、ここにいること。
わからなくても、いろいろな想像をした。
そうしたら、彼を想像した後の僕は、僕と彼のどちらなんだろうと思った。
どちらかわからないまま、してしまった演技の、その過去をまた想像した。
それを何度も何度も繰り返した。
此岸から彼岸を見つめるような、考え続けるような、演技をした。
思えば撮影の中で、僕だけがあの川の向こう岸に行かなかった。
演技を続けていれば、キャラクターが佇む彼岸に、いつか辿り着く日が来るのかもしれないが、その時、僕という存在はいなくなってしまうんじゃないかと思う。
それは嫌なので、僕はやはり、いつまでも此岸から彼岸を見つめていたい。
わからないまま想像を続けることはとても不安だけど、間に流れる川が、この作品が、僕に勇気をくれる。
岩倉龍一
2002年生まれ 神奈川県横浜市出身
東京造形大学 映画・映像専攻 在籍
【監督作品】
『ひとり、またはふたり』(2022年)
『あさ、大学へ行く』(2023年/共同監督・鈴木寿)
【出演作品】
『Roots grow』(2022年/演出・笹本陽介)
『リバーリバース』(2023年/監督・鈴木寿)