五十億年後の貴方へ
監督 一色咲良

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音楽を巡る映画祭

宇宙では、音楽を聴く事ができない。
 
音楽とは、音による芸術作品だ。音の元は物体の振動によって発生する波であり、その波が私たちの耳の中にある鼓膜を振動させることで音を認識できるのである。
しかし、宇宙空間では真空であるため振動させ圧迫させる物質がなく、小惑星が砕けても私たちはその爆発音さえ聞くことは出来ない。
 
主演はショウウンキン。中国の四川省出身で現在、東京造形大学にて身体と映像を研究するため留学中。セリフは彼女の母国の中国語で当て書きしている。理由は、日本語には無い発話する音の響きが本作に必要だと考えたからである。
中国語独自の言葉の流れるような繋がりと余韻の間から、宇宙で聴こえているはずだった音楽が聴こえてくることを願った。
 
 
ある時、あの星で音楽を聴いている貴方が楽しそうだったから声をかけた。
ある時、音楽を聴いていたら宇宙からの声が聞こえてきた。
 
私は貴方に会いに行きたいけど、この星から脱することは出来ないの。
貴方は音楽なしでは生きていけないから、宇宙に来ることは出来ないでしょう。
 
ほんとは買ってはダメだけど、お金がないから安い服を買ってしまうの。
各地で争いが起きている。助けに行きたいけど、行けないの。
すぐには争いをなくすことはできないの。だってそこまで強く生きれないから。
世界ってどこか残酷だよね。矛盾していることばっかだけど、
音楽が聴けるこの星がやっぱり好きで、忘れられないの。




出演     ショウ ウンキン
声      鈴木 将悟
演技相談   佐伯 菜友
助監督    飯田 舞
録音     由良 千咲
アシスタント 御鱗 泰治
監督・編集  一色 咲良

致五十亿年后的你


在宇宙中,你无法听到音乐。

音乐是由声音构成的艺术作品。声音的来源是物体振动产生的波,而波带动我们的鼓膜振动,并进而使我们能够感知到声音。然而,由于宇宙空间是真空的,没有物质可以振动和挤压,所以即使小行星破裂,我们也听不到爆炸声。

本片的主演是钟运欣。来自中国四川省,目前在东京造形大学留学,研究身体和电影。影片中的台词是用她的母语中文写成的。因为我认为日语中没有的发音对于本片来说是必要的。
我希望在中文独有的流动感的词语关联和余韵之间,能听到某种仿佛本应在太空中听到的音乐。

有一次,在那个星球上听着音乐的你看起来很快乐,所以我呼唤了你。
有一次,当我听音乐时,我听到了来自宇宙的声音。

我想去见你,但我无法离开这个星球。
没有音乐你就无法生存,所以你不能来宇宙中。

其实本来不应该买,但是因为没有钱,所以买了便宜的衣服。
世界各地纷争无处不在。我想去帮忙,但我去不了。
我不能让纷争很快停止。因为我无法变得那么强大。
这个世界实在有点残酷。到处布满矛盾。但是,我果然还是很喜欢这个可以听音乐的星球,无法忘记。

翻訳:孔祥远

01.


TRAILER

02.


PROFILE

一色咲良


撮影者:飯田舞

2001年生まれ 愛知県出身
東京造形大学 映画・映像専攻 在学中
 
堅実に破滅と向き合い、いかにこの世界で生き続けるか、映像表現にて模索中。
作品は実写をメインに劇映画、ドキュメンタリー、インスタレーションを制作しており、映像作品以外にも油絵、ダンボールを使った彫刻作品、ポスターなどを手がける。
 
 
展示歴
 
2020 52 デザイン展(一宮市三岸節子記念美術館)
2023 三描展(安城市民ギャラリー)
2023 映画・映像専攻 有志展(東京造形大学)
 
 
活動歴
 
67回学展 賞候補入選
22回アートウェーブ年賀状コンテスト 入選
29回読書感想画愛知県コンクール 優良賞
76回一宮市美術展立体彫刻の部 美術展賞
平成30年度エイズ予防啓発ポスターコンクール 一席
68回学展 賞候補入選
12回愛知県工業高校生ロボット競技大会ポスター 最優秀賞
18回全国高校生ポスターコンクール 奨励賞
52回デザイン展 ポスター採用

03.


REVIEW

由良千咲

 一色から「授業で聞いたんだけれど、宇宙で音楽を聴くことができないらしいよ」と言われた時に私も音楽の存在について考えていた。私も映画の中の彼女と同じように音楽がないと生きていくことができない。他者と精神的な部分で繋がることができたと思えたのも音楽の話をしている時だった。
 しかし、音楽が強固な命綱のような存在だったのに、それが脆くなってしまう時が、時折訪れる。音楽では癒すことのできない痛みを受けることがある。これがあったから生き延びることができたと思える歌詞が、ただの文字の羅列にしか見えなくなってしまうことがある。音楽以外でも、救いになっていた存在が、冷たい空の器のように見えてしまうことがある。何に生かされているのかわからなくなってしまうこともある。
 私たちと彼女が今生きている場所は、そのような脆い不安定な世界だ。切実に信じられることは何一つないのかもしれない。それでもなお、なぜここで生きているのか。
 地球から飛び出してしまうと、呼吸をすることができない。酸素と音楽がないから、生命を維持することができない。音楽じゃなくとも、その人の酸素となり得るものが宇宙にないから、私たちは地球に居続ける。死んでしまったら救われるものに触れられなくなるから、生き続ける。
 宇宙と彼女が会うことはないだろう。目を見て話をすることもないだろう。しかし、彼女は宇宙の一部の星、地球で生きている。彼女の側には宇宙がいる。彼女の視線の先には宇宙がいる。
宇宙は彼女を見つめ返している。
 


由良千咲
2001年兵庫県明石市生まれ
東京造形大学 映画・映像専攻領域在学
主に映像、写真、脚本を制作している

映像作品
『deny』(2022)
『クロール』(2022)
『Kid』(2022)
『眺め』(2022)
『灯す』(2022)
『1』(2022)
『2』(2022)
『3』(2022)
『talk』(2023)

脚本
『海辺の恋人』(2017)
『ひぐれに』(2018)
『甘い火』(2019)
『soon』(2020)
『一線』(2020)
『駆け抜けて』(2021)
『please forgive』(2021)
『傷ついた人々へ』(2021)
『醒める』(2022)