森を巡る映画祭
居塚「ということでね、みなさんあの映画祭本当にお疲れ様でした」
由良「笑笑」
鈴木「いやあ本当にお疲れ様でした。大変でした」
居塚「いや疲れたね。いやその、やっぱ俺らだけじゃん、この同期の対談。だからやっぱあの同い年、同じ学年としてね、制作の一番の辛さを一応経験している同じ立場で話せるんじゃないかなっていうので。もう今日という日を本当に、GW明けから楽しみにしていました」
鈴木「結構な笑」
居塚「結構、楽しみにしておりました」
鈴木「良かったです笑」
居塚「なのでちょっとあの、色々話したいことはあるんですけれども、少しずつ話していきたいなということで。まず、それぞれの作品の感想をね、やりたいなって。ちょっとこのサイト順で」
『聲の道』監督:鈴木将悟/制作のプロセス
◎作品制作について
鈴木「はい。どうでしたか、みなさん」
居塚「面白かったです笑」
鈴木「面白かったですか…笑」
居塚「面白かったです。これさ」
鈴木「うん」
居塚「大変だったよね?笑」
鈴木「大変だった」
居塚「大変だった笑。なんかそのグループ制作とかさ」
由良「あーそうそうそう」
居塚「課題とかの話し合いがある時に大体いなくて。でなんでいないのって、今日グループ撮影がって。なんかその、毎回こう機材の重たい荷物をってイメージが強くて」
鈴木「あー金曜に」
居塚「撮影が大変、大変だったんだろうなって」
鈴木「八日間、撮影しましたから笑」
由良「すご」
居塚「今までで一番長い?これ」
鈴木「長いと思う」
由良「え、ほんとに?」
鈴木「え何、撮影期間がってこと?」
居塚「撮影期間」
鈴木「長い」
居塚「笑笑」
由良「個人制作(2年時必修授業、個人で一作品を自由に制作)より?」
鈴木「個人制作より長い」
由良「そうなの?」
鈴木「個人制作だって、二日だもん」
由良「えーすご笑」
居塚「個人制作そうだね笑」
鈴木「そう、あれ二日」
居塚「あぁあれ二日やったんや」
鈴木「二日間」
居塚「確かに」
鈴木「でもこれは八日くらい」
居塚「八日かかったんや」
鈴木「はい。撮影自体は六日間だけど、声を録るので二日間時間をとりました」
居塚「これ声録ってるの?」
鈴木「そうそう、実は撮影のときの音じゃないのが何個かある」
居塚「宮坂さん(演者の方)のところは別だもんな」
鈴木「うん。最後のシーン、姉が妹を後ろから抱きつくシーンのセリフはね、後撮り。「みつけた」と「お姉ちゃん」ってやつ」
由良「あー」
居塚「なんかすごく全体的に丁寧に描いてたよね」
鈴木「うん」
居塚「なんか画がかっこよかったよね」
鈴木「あ、ほんとに」
居塚「うん。実景が多かったよね」
鈴木「そうだね。なんか、せっかく森だから、森を映そうと思って。結構多めに入れました」
由良「確かにグループ制作(三年時必修授業、グループで一作品映画を制作)もあって」
鈴木「ちょっとね、本気に」
居塚「本気になってたね」
鈴木「本気になってた」
◎登場する二人について
居塚「これはもともと、このなんていうの。なんかイメージ、すずしょうの作品って登場人物二人が結構多い印象。で、個人制作、まあ三人だったけど二人だったじゃんメインが。男の子二人がメイン。で今回は女の子二人がメインってことは、これは女の子二人のメインを描こうって決めてからこの作品になっているのか。作品になっていくうちに登場人物がこうなったのか」
鈴木「これはね、作品を考えてる中でこれになった」
居塚「に出会えたんだ。森を巡って出会ったんだ」
鈴木「そう、森を巡るきっかけで、この女性同士っていう設定ができたって感じかな」
居塚「なるほどね」
鈴木「最初は本当に、全然違くて。これ脚本も一応書いてあるんだけど、六稿くらい、第六稿くらい書いて。第一稿と、初稿と、第二稿。まぁ第一稿か。初稿の段階でこれと全然話違くて。あの、五ページくらい書いたんだけど。最初はベンチで座ってる二人がいて、まあキャラクター変わらないんだけど。が、なんか、お互いで、こう、交換交換で物語を作るみたいな」
由良「あー」
鈴木「うん。そういう絵本みたいなのをイメージして作ってて。そのシーンの後にこの映画が入る予定だったんだけど」
居塚「あぁなるほどね。絵本読んで急に始まるんだ、かくれんぼみたいな」
鈴木「そう。っていう流れだったんだけど、全部変わりました」
居塚「もともと四十分になってた」
鈴木「そう、なってた可能性がある。ちょうどよく、ちょうど良いかわかんないけど、二十分におさまりました」
由良「なんか葉っぱが、六分くらいで落ちてくるみたいな」
鈴木「はい」
由良「最初見た時に、この葉っぱが姉だと思って」
鈴木「おー」
由良「けど踏んでいくから笑」
鈴木「確かに、ちゃんと踏んでいくからね笑」
由良「そう笑 この葉っぱに、なんか、なんていうの。意味とか」
鈴木「うーん。一応自分の中では、姉と妹っていうのは結構対立してて」
由良「あー」
鈴木「姉は自然、でも妹は人間みたいなイメージで作ってるから、こういう葉っぱを多分、その六分からのやつ。踏むところもめちゃくちゃ落ち葉落ちてるけど。こういうのも多分なんとなく全然気にしないで歩くけど、よくよく考えたらここにはかつて生きていた葉っぱが。こう、散らばっているみたいな」
由良「うん」
鈴木「そういう生命的ななんかを描きたくて、入れたのかな。ここの葉っぱが落ちるシーンもね、録撮るの大変だったね…笑」
由良・居塚「笑笑」
鈴木「来てもらったからね、二人とも笑。ここ、最初の木の間を落ちてくるのは二人に参加してもらった時に撮って、この後の足元に落ちるところは飯田さん(撮影スタッフ)にお願いして撮ったんだよね」
由良「めちゃくちゃ撮ってた」
居塚「笑笑」
由良「あとめちゃくちゃ顔似てるっていう」
鈴木「あー」
由良「二人」
鈴木「そうだね。この二人は実の兄弟、姉妹じゃないんだけど。でも、この二人をキャスティングしたのは、そういうところもあったりする。雰囲気的なところとか」
由良「なんか試写会で見た時に、めっちゃ美瑠ちゃん(演者の方)に似てるなと思って」
居塚「我々の専攻にいますからね」
鈴木「そうです、同期ですから」
居塚「同期ですからね」
由良「あと、カメラ目線になるの怖い笑」
鈴木「あーラストの」
由良「そう笑」
鈴木「これは、何テイク、10テイクくらいしたんだけどここ。そう、このカメラ目線で多分視聴者はこのシーンになるまで視聴者でしかないんだよね。でもここで、作品の中からこう目線が合ってくると、うわっていうこの、一気に掴まれていく感じっっていうのがあるからこういう演出にしました」
居塚「これちなみに、このあとどうなるの? これさ、だっていまこれね、上から見つけたって捕まえられて、笑ってそのまま実景、エンドロール入るやん」
鈴木「うん。でこの後どうなったか。知りたいですか笑」
居塚「もし構想があるなら笑」
鈴木「あります。えっと、妹はこの世から消えました」
由良「え?笑」
鈴木「そう一応、こうやってずっとお姉ちゃんって探してるんだけど、設定上このお姉ちゃんって実在しなくて。いたんだけど五年前に亡くなっちゃってるっていう設定で。でもその、姉を思う強い気持ちが現実に現れちゃってるって感じ・そのなんかさ、イマジナリーフレンドってあるじゃん。あれの上位にタルパっていうのがいて、イマジナリーフレンドはもう自分でこうしてああしてっていう風に自分のイメージ通りだけど、タルパって自分の意識を出て勝手に動き出すみたいなやつなんだけど。一応それをモチーフにやってて。あと、実は前半分かりにくいんだけど、前半と後半で実はこの姉って別の人で」
居塚「別の人?」
鈴木「別の人なんですよ」
由良「あー前半あれだよねなんか、チラッて出てくる」
鈴木「そう。前半と後半じゃ別で。前半は妹のイメージ通りの姉。でも後半はこれはもう姉じゃなくて、森が送り込んできた使者みたいな、使い魔みたいな。だから、この後妹は連れ去られました笑」
居塚「連れ去られちゃった笑 そうか、そうだよね、これ試写で見た時と映像違ったんもんね。なんか最初なんか喧嘩かなんかして、なんか仲直りしたい、喧嘩なんてしてないよみたいなシーン一切なかったよね」
鈴木「そうそう笑 あれも実は一日かけて撮ったんだけど全部カット笑」
居塚「お前、すご笑」
鈴木「そうあれ、あの最初に考えてたベンチのやつのシーンなんだよね実は。の一部分で、なんていうんだろ、ちょっと分かりにくいんだけど、タルパは自分が存在しない人間だっていうのを知らないわけだよね、でもそれを妹が言っちゃったから、あぁ私っていないんだみたいな、のでいなくなっちゃうんだけど、っていうのであの冒頭のシーンに繋がってくるんだよね。ごめん、みたいな、いいんだよって言って。ていうのが、冒頭のシーン」
居塚「すごいな。お前すごいな笑」
由良「なんか最後姉の形をした借り物みたい。なんか見た時に」
鈴木「あー、まさに」
由良「ああそういうこと」
鈴木「そうまさに」
◎影響を受けた作品
由良「最後なんかさ、最後のエンドロールが、えなんだか分かんないけど、あの、黒沢清の『CURE』、見たことある?」
鈴木「ありますよ」
由良「なんかあれのエンドロール笑」
鈴木「笑笑 いやあの、自分はものすごく黒沢清の影響を受けていて、ていうのはもう自分でも分かってるんですけど。例えばこの、なんていうんだろうね。最初にこういくシーンのちょっと遠めのカットとかはもう、これは黒沢清の『降霊〜KOUREI〜』っていう映画があるんだけど、それのワンシーンがずっと忘れられなくて、そういう印象があってこうなりました。から多分このエンドロールも、きっとその影響を受けているんだろうなっていう笑」
由良「そうなんかめちゃくちゃ、『CURE』っぽいなって思ったけど、クレジットの文字が手書きだったから」
鈴木「うーん、あれは笑」
由良「ジブリっぽい笑 文字もあるのかな。みんな丸っこいていうか。可愛い感じ」
鈴木「あー笑。ポニョとか、風立ちぬみたいな笑」
由良「そうそうそう…笑」
由良「あと光めっちゃ綺麗」
居塚「うん」
鈴木「そうあの、奥から歩いてくるシーンとかは、もう二日かけて撮って。最初に撮った、あの基本的にどのシーンも別日で二回撮ってて」
由良「うわーそっか」
鈴木「そうだからこの、六分半くらいのとこのシーンとかも、これもね三回撮ってるんだよね。別日で」
居塚「ええ?」
鈴木「最初は一日目に撮って、それは結構曇りで横からこうやって追ってって撮ったんだけど、違うかなってなって、また別日に撮ったんだけど。そんときは、このこう行くシーンがあるじゃん、歩いていくのをこうやって。っていうのと同じ感じでやったんだけど、光がなくて、ちょっとね鬱々とした感じになっちゃって、それも違うかなって思って、この撮った日、もう最高の晴れで」
由良「そうあの天気にね、めちゃ重視される」
鈴木「特に森なんかは木漏れ日があるとないとじゃ全然印象が違うから」
居塚「ね」
鈴木「難しかったですね」
居塚「なんか、由良さんのさ、やつもじゃなかった? 結構天気に左右されてたよ」
(鈴木「あー」
居塚「あのーランタンのシーンとかさ」
由良「あぁそうあれ、すごい大変だった笑」
鈴木「最初のシーン?」
由良「そう最初の」
鈴木「これは夜撮ってるの?」
由良「そう夜」
鈴木「えぇ…笑」
由良「火曜のゼミ終わりに、六、七時くらい。私の話しちゃっていい?」
居塚「うん」
由良「いいの、すずしょう」
居塚「どうする。ちなみ二十分喋ってる」
由良「ほんとに、じゃあ次行くか」
『微かな遊泳』監督:由良千咲/制作のプロセス
◎作品についての感想
由良「編集の段階でも改稿というか、撮ったシーンを組み直してて。ランタンを持って歩いてるシーンが脚本だと結構後の方だったけど、脚本通りに並べても、なんか違うなと思って。カットしようかなって思ってた時に、伊藤奈津(同専攻の友人)にちょっと相談に乗ってもらったんよね、そしたら、最初に入れたらって言ってくれて。それで最初に入れたらなんかしっくりきた」
居塚「構想の発表の段階でこのショットは入れたいって言ってたよね」
鈴木「なんかイメージが。これ、だよね。蛍みたいな」
由良「うん。結構、撮りたい画から脚本を作るかも。春休みにも自主制作で映画を撮ったんだけど、それも元々は二人で花火をしてるとこを撮りたいっていう所から始まって。そこから、どういう時に花火をしたら面白いかなって考えて撮ってました」
居塚「由良さんの映画ってさ、めっちゃロングショットじゃない?最初のシーン。いつ来るのかなって。あ、まだ来ない、いつ来るのかな。あぁ足音来た、足音来た。あぁやっと来た!っていう。結構ロングショットだよね。めっちゃ印象的」
由良「そうだね」
鈴木「うん。森でさ、足音するんだけどどっから来るんだっていうこの感じがすごい面白い」
居塚「手前かな手前かな手前かなと思ったら、左」
鈴木「左、いや奥?みたいな笑」
居塚「お、奥から来た笑」
鈴木「木の陰からこうスって出てきたりするから」
由良「撮影してる時も、心菜(演者の方)がどこにいるのか分からない時があって。それが面白かった」
鈴木「あー(笑)」
居塚「結構冒頭のシーンロングだったよね」
鈴木「うん。八分くらいからの、この草むらでこう」
由良「あぁ笑」
鈴木「二人でいるシーンとか。ここのね、風が、これすごいね。最後なんか風がぼわーって吹いて」
居塚「なんか蝶々かなんかも来ない?」
鈴木「あ、いた気がする(笑)」
由良「そうそうそう(笑)風がきてくれて嬉しかった。撮る前に、私が思う世界の綺麗な所とかを信じようと思ってたから、信じたことが報われたなと思った」
鈴木「この六分四十五秒くらいの靴紐結ぶシーンすごく良いと思って。なんかもう、この一瞬で二人の関係性も分かっちゃうなっていうこの、二人の距離感みたいな」
居塚「ね、腕組むんよね」
鈴木「そう笑」
居塚「行って進んで止まって腕組むんよね笑」
鈴木「待ってる時間がね、いいよねこれ」
由良「ここは、私が人といて嬉しかった瞬間を撮ろうかなって思って入れた。人と一緒に歩いてて、私が靴紐を結んでる時に、相手がじっと立ち止まって待っててくれたのが嬉しかった時があったので」
居塚「普通に演技力が高いんだよね」
鈴木「そうだね」
由良「うん。あとなんか心菜(演者の方)がさ、ダンスを普段やってるっていうのもあって、歩き方がダンスっぽい。自分のリズムで歩いてる感じがする」
居塚「この最後のシーンの意味っていうのは」
由良「あぁそう笑 そう、何ていうんかな。大体がもう、女の子の空想、脳内世界で。実際、この二人は会ってないし、喋ってないんだけど。この最後でやっと現実に戻るみたいな」
居塚「なるほどね」
鈴木「そういうことなんだ」
居塚「初手から全部」
鈴木・居塚「ないんだ」
由良「そうない」
鈴木・居塚「笑笑」
居塚「セリフが少なかったってことこれ」
鈴木「この人のイメージなんだ全部」
居塚「イメージ、で最後戻ってきたんだ」
由良「最後フって現実に戻るみたいな感じで。」
鈴木・居塚「笑笑」
由良「これもすごい迷ったところで。振り向いて、また前を向いて歩き出すっていうのまで撮ったけど。なんか説明的すぎるかなって思って。ここ、切ったけど…ラストシーン分かる人いるのかなって今でも不安」
居塚「笑笑」
由良「それがむずい、映画は」
◎衣装について
居塚「由良さんはどういう感じで衣装決めたの?」
由良「こういう格好で森にいたら良いかもなっていうイメージ。原井くんと心菜(演者の方々)に、こういうイメージって絵を描いて送ったけど、二人とも持ってなくて。だから二人とも買って」
鈴木「えー」
由良「心菜(演者の方)の白いワンピースみたいなのと、原井くん(演者の方)のシャツは買って。他は全部演者の私物。原井くんのシャツは、原井くんにあげた(笑)」
鈴木・居塚「笑笑」
鈴木「あげてたね。そういえば(笑)」
由良「その子の」
居塚「なんかイメージとか性格とか、そういうので」
由良「あーそうだね。男子側はシャツを着ていて欲しい、女子は白っぽいワンピースでっていう漠然としたイメージがあって。今思うと、これはbetcover!!っていう私が好きなバンドのMVから影響を受けてると思う。その時期によく見てたから…。『炎天の日』っていう曲のMVの中で、出てくる人がそういう服装をしてて。でも、白いワンピース単体だったら私の場合は演出的すぎるなと思って。まぁその良い塩梅がこれかなって」
鈴木・居塚「笑笑」
由良「あと、白いワンピースを心菜(演者の方)があんまり着てるイメージがなくて。いつもデニムとかを履いてて、それが似合ってるイメージがずっとあって。そっちの方が合いそうだなっていう」
居塚「確かにね、ストリート系のイメージが」
由良「そうそうそう」
鈴木「あー確かにね」
◎タイトルについて
居塚「『微かな遊泳』ってこのタイトルは?」
鈴木「あー」
由良「私はタイトルを決めるのがめちゃくちゃ苦手で。でも、これは割と最初の方で決まってて。まず、ランタンの光が揺らいでる画を撮りたくて。それが、こう、ふわーって泳いでるように見える気がしてて、そこから付けた。歩いてるのも、若干、泳いでる風に見えるかなって」
鈴木「うん」
居塚「かっこいいよねこれね。すずしょうとかもタイトルにめっちゃ苦戦してて笑」
鈴木「笑笑」
居塚「由良さんってもう脚本が送られた段階、この脚本ですって送られた段階で決まってたから。どう決めたんやろって気になったんよね」
鈴木「これね」
由良「珍しい、私にしては」
これから撮りたい作品について/由良千咲
居塚「由良さんはなにか夏休みに撮る?」
由良「あー。五十嵐さん(映画・映像専攻の教授)のゼミで忘れられない言葉とか出来事を撮るっていう課題があったじゃないですか。この間、居塚くんとすずしょうにも協力してもらって撮ったけど、もう一つ忘れられない出来事があって。それは家じゃないと撮れないから、家で撮ろうかなって」
二人「いいですね(小声)」
由良「その出来事が自分の撮ってる映画のテーマになってきてる気がして」
居塚「由良0?」
鈴木「由良のオリジンが」
居塚「クソ気になるな」
由良「友達と家にいる時のことを撮ろうかなって思ってる。出来事もそうだし、フィクションも混ぜて撮りたい」
居塚「タイトル決まってます?」
鈴木「『微かな遊泳』と続き…?」
由良「まだ全然笑」
由良「でも、最初は手紙を待ってる人の映画を撮ろうと思ってて、でも撮る気にならなくて。脚本も途中まで書いてたけどなんか進まなくて。そっちを撮るつもり」
居塚「そっか」
鈴木「卒制はどうですか?由良さん」
由良「うーん。今まで撮ってきたテーマを一貫して撮るのは決まってるかな」
鈴木「あーテーマね」
居塚「テーマを一貫して撮る?」
由良「ゼミの初回の時に、何か撮ってきた作品のテーマってありますか?って聞かれた時に色々考えてて。1番は他者との関係性が撮りたい。春の自主制作でも撮ったけど、他者と離れていく時を撮りたいなって思う。別れとか、引っ越しとかね。それが撮りたい」
『幽谷響無死/YAMABIKO-MUSHI』監督:居塚汐音/制作のプロセス
◎演じてみての感想
由良「居塚君の作品、まずさ、演じてる時から思ったけど…演じてる、これ?」
居塚「演じてますとも、皆さん!(笑)」
鈴木「これね(笑)」
居塚「ご協力いただき、ありがとうございます」
鈴木「ヨガポーズを取ってね」
由良「これ、みんな普段着なのめちゃくちゃ面白い(笑)」
鈴木、居塚「(笑)」
鈴木「ガチの私服」
居塚「ガチの私服でね」
由良「なんていうか、宗教って、服装も決められてたりするから」
鈴木「確かに、皆、白い服着てたりとかね」
居塚「そう。服装は結構意識してて。今作は”日常に溶け込んだ習慣”を客観視した作品にしたかったから儀式も厳しいものではなく方足立ちという至ってシンプルなもので仕事帰りや学校帰りにフラっと立ち寄ったようなイメージにしたくて服装の指定はせずガチ私服のまま演じてもらったんだよね。」
由良「あーこの撮影も放課後だったし、まじでみんなそんな気分だったね」
居塚「よかった笑 きっと今作の人たちって何かの教えがあってヨガポーズに勤しんでいるんだよね。」
鈴木「何かの教えね笑」
居塚「そう。今作はその何かの教えをピックアップさせたいんじゃなくて、その教えを信じている人たちをピックアップしたかった。」
鈴木「なるほどね笑」
居塚「暗い部屋でお互い向かい合って方足立ちになって。一度崩れたら画面から消えて。でもそれがきっと彼らにとって当たり前で何か理由があるんだろうな、と見てる視聴者に感じていただけたら嬉しいです。
鈴木、由良「(笑)」
由良「ふらっと集まって、ふらっとやる感じね。」
鈴木「サークルみたいな?」
由良「うん、そういう面白さがある」
居塚「あー今日ちょっと6分でしたわっていう(笑)」
鈴木「そういうノリなんだ(笑)」
居塚「でもその時はみんな集中してるから皆真顔なんだよね」
鈴木「そうだよね、この皆の真顔もいいよね」
由良「うん」
居塚「本当にありがとうございました」
鈴木「いやー、由良さんに勝ちたかったな」
由良、居塚「(笑)」
居塚「結構みんな生き残ってたよ、由良さんがエグいんよな」
鈴木「由良さんがヤバいんだよ」
由良「最後3人で勝負みたいになってて。…始まって早々に大渕が(笑)」
鈴木、居塚「(笑)」
居塚「長回しなんやけどね、全然、時間は気にしてなかったのよ。皆が倒れるまで撮っちゃおうっていう勢いだったから」
由良「みんな意外と体力があったっていう」
居塚「そう。すぐ終わるだろうって。大渕がパタって倒れたじゃん。だからこんな感じか!って。じゃあ後1、2分で終わるかなって思ったんよ。…そこからが長かった(笑)」
鈴木、由良「(笑)」
鈴木「6、7分やってたよね」
居塚「6分、6分(笑)あれ、ちょっと待って、まずいかこれって(笑)」
鈴木「マジで最後の方、足がプルプルしてきちゃって(笑)」
居塚「すごいよ(笑)由良さんの安定感がすごいんよ」
由良「やっぱりヨガ、2単位取ってるから」
鈴木「ヨガの授業が効いてるのか」
居塚「これヨガ関係あったんかな(笑)」
◎タイトルについて
鈴木「タイトルがさ、どーんと出てきて、コロコロっていう遊び心みたいな」
居塚「折角本編で人が倒れるんだから、倒そうっていう。虫が鳴いた時にお尻震わせるあのゾワっとした感じも表したくってね。それでね…タイトルの拘りになってるんだけど(笑)」
鈴木「大切ですよ」
居塚「もともとやろうと思ってたロゴは、年輪。樹齢崇拝だから、年輪チックな感じにしてるんだけど、ボツにしたということで、今回のフォントも年輪を上に乗せてるんだよね」
鈴木「ああ、この線が?」
由良「ああ、へー!」
居塚「そうそう、年輪っぽくしてて。で、カタッとするじゃん。「谷」、「幽」、「無」、と。で、「響」だけ揺れない。なんでかっていうと、目線を真ん中に集めたくて。きっと見ている人は次は「響」かなと思って中心を見るじゃん。そしたら灰色になるんだよね。でも前の色が残って見えるっていう」
鈴木「錯覚みたいな?」
居塚「そう。真ん中をずっと見てたら、色がちょっと残るっていう不気味さをやりたかった」
鈴木「うわあ、残る、残る、残るね」
居塚「だからタイトルをちょっと長く出しているんだよね。タイトルの編集が1番時間かかった(笑)」
鈴木「後さ、このエンディングのスタッフクレジットも動く(笑)」
居塚「ああ、それね、倒れた順に。だから最初、大渕からカタッといくんだよ」
由良「えっ!?そういう所まで?」
鈴木「細かっ(笑)」
居塚「そう。で、リクさんは中国語の翻訳もしてくれてるから、出演と同時に倒れる。でもこれも反省してて。公開はされないかもしれないけれど、ダイジェストだったら全部が倒れる。で、その後に文字が消えるっていう演出になってて」
鈴木「どこかしらでね、折角作ったんだからね」
由良「この最初のさ、習字をやってるやつって、ヨガのメンバーが書いてるみたいな設定?」
居塚「そうね。人を多く見せたかったんだけどね、難しいよね」
鈴木「難しいよね」
由良「多すぎたら益々宗教っぽくなるというか」
鈴木「このくらいの人数がちょうど良かったのかもしれないね」
由良「あと、カーテンが印象として残ってる」
鈴木「伊藤さん(同専攻・演者)の後ろのね。ブワッていう」
居塚「これね、飯田さん(同専攻・演者)様様で…本人から聞いたんやけど、飯田さん、足がプルプルして倒れそうなんやけど、カーテンが揺れたから堪えてくれた」
鈴木、由良「(笑)」
居塚「居塚くん、ここ使うと思うから、堪えましたって後から言われて(笑)」
鈴木「本当だ、揺れた後に退場していってるね」
居塚「結構ね、飯田さんグラグラしてるんよね。見てたら。2分4秒とか見てもらったらわかるんやけど、結構ね、ギリギリ(笑)本当、飯田さんには感謝」
◎これは「編集の映画」です!!(笑)
・伊藤奈津(同専攻・演者)、この箇所のみ参加
鈴木「なんか、音が印象的だなと思って。深い、グオーみたいな音が。あと、心臓の音とか」
居塚「ピッチをあげたんよね」
鈴木「何の?」
居塚「音のね、編集をしてるんだよね」
鈴木「へー。本当は違う音みたいな?」
居塚「いや、本来の音なんだけど、例えば環境音。心臓の音とか、ヤマビコみたいな音とかも、スマホとパソコンとで音が違うみたいで。聞きやすいように設定し直したんだよね」
由良「そういうのもあるんや」
居塚「そう。最初、心臓の音とヤマビコの音が全然聞こえなくて。どうやら、声の低い音は、スマホは拾いにくいみたいで。だからちょっと高くしてる」
鈴木「なるほどね」
由良「へー。すごい」
居塚「編集の映画です、これは(笑)」
鈴木「冒頭からね、文字とかも」
由良「あと、雨の中で書くっていうのも面白い」
鈴木「ね、滲みがね」
由良「晴れてる時だったらこういう風にはならないから」
居塚「そう。『響』とかも結構面白かったんだよ。カットしたけど」
鈴木「えっ」
居塚「『響』の最初の一振りが、めっちゃ水が溜まってて。染み出してて。っていうのは、ダイジェストの方で使ったんだけど…上がるかな(笑)」
居塚「わかりにくいけど、硯のね、ピチャピチャっていう輪も年輪みたいだなって」
鈴木「波紋のね」
居塚「そう、重ねたけどね。タイトルと。だけど、要素を増やしすぎたかな」
由良「私もそこそこでヨガ、やめようと思ってて。でも3人になった時に、負けたくないなって(笑)」
居塚「マジでここの3人が強かったよね」
鈴木「御三家が(笑)」
伊藤「私は由良ちゃん、このままだと終わらねーなと思って。先行っとこーって(笑)」
居塚「安定感がエグかった」
鈴木「微動だにしない、マジで木みたいな」
伊藤「これさ、ずっと言いたかったんだけどさ、この時さ、シルエットしか見えんって言ったじゃん。私さ、めっちゃ顔しっかり!(笑)」
居塚、由良、鈴木「(笑)」
居塚「一応白レベルも黒も下げてるよ(笑)」
伊藤「めちゃくちゃ真剣な表情でさ!」
居塚「逆にこれアリだよね。この集中してる感。でも明るくなっちゃった」
伊藤「うわ、裏切られたー」
居塚「違う違う(笑)カメラで見た時は暗かったんよ」
伊藤「本編見た時にさ、あれって(笑)」
居塚「その節は申し訳ない」
由良「この中国語とかの文章は、誰の?」
居塚「それは俺が作りました...一度『樹齢崇拝』を始めるきっかけについての短編物語を考えてそこから詩集読み漁ってできる限り抽象的に文章を考えてみたんだよね。これの1番の問題は中国語と日本語を、どうやって出すかっていうのが問題でして。そんな時にね。ふとね、ある映画を観たんですよ」
由良「エドワード・ヤンの」
鈴木「恋愛時代」
居塚「そう。もうね、感化されたね」
鈴木「ビビッと(笑)」
居塚「ビビッと。エドワード・ヤンは、白文字で赤色の文なんだよね。だからね、緑。強調文は赤色で、とか。虫がスッと左側を通過するシーンは、由良さんの撮影の時にG10で撮影したもの」
鈴木「ああ、光が。…文字の背景も黒かったり白かったり赤かったり」
居塚「そう、強調したかったから赤で表現してみた」
鈴木「なんか全体的にカラフルだよね。タイトルもそうだけど、皆の服もそれぞれカラフル」
居塚「そう、これね、嬉しいねー。私服感が本当に良かった」
居塚「あれ何で明るくなったんだろうね、照明焚いたから?冒頭のさ、51秒くらいってさ、本当に真っ暗なの、顔は映ってないのよ。これを出そうと思った」
鈴木「釈明の時間(笑)」
伊藤「冒頭は全然カーテンが揺らいでなかったけど、風良かったでしょ(笑)」
居塚「そう、良かった(笑)」
由良「制作の裏話…もう結構話しちゃってるけど(笑)」
『聲の道』制作裏話
由良「すずしょうので言うと、最初撮影行った時に、私、12時くらいまで寝てて」
鈴木「ああ(笑)」
由良「起きてLINE見たら、10時くらいに不在着信が何件かきてて。『ごめんなさい、急なんですけど、来ていただけませんか』って(笑)」
鈴木「すみませんでした…(笑)」
由良「それで行ったら、マジックハンドで(笑)」
居塚「葉っぱを落とすシーンだよね」
鈴木「マジックハンドを八王子みなみ野のホームセンターで買ってきて、袋を貰えば良かったって思って(笑)直で持って電車に乗るのキツかった」
居塚「VTのケースに入ったんだよね」
鈴木「そうそう。カバンのサイドに挿して」
由良「行ったら、マジックハンドは持ってるし、演者はいないしで、どういう事ってなって(笑)」
居塚「俺もびっくりした。呼ばれて行ったら、今日は実景だけだよって言われて。それで絵コンテも渡されて、まあまあシーン残ってたんよね」
由良「絵コンテすごいよね。私、最初に映画撮った時は絵コンテ書いてたけど、実際に見るのと絵コンテとで、あまりにも理想と現実の壁があったから…」
鈴木「そうだよね…結構、絵コンテ通りに作ってて(笑)絵コンテを見れば全部同じ構図になってると思う」
由良「そう。忠実に撮れるっていうのがすごい」
居塚「ね」
鈴木「…冒頭のさ、こう来るシーンは最初全然違うくて。奥から来て、途中でこの場でこうするっていうシーンだったんだけど、なんか変だなって思って。それで、主演の但馬さんが、かくれんぼしながら来たらどうですかって。かくれんぼってさ、もういいかい、もういいよっていう最初のフェーズがあると思うんだけど、それを完全に忘れてて(笑)このシーンは、完全に後付けなんだけど」
由良「森の中でかくれんぼって結構怖い」
鈴木「そうだよね、わかんないし。あと、6分53秒からの、手があって、こう降りてくるシーンは実は飯田さんに撮ってもらって。自分が下手くそすぎて(笑)ジンバルとか使えば良かったんだけど、借りてなかったから。三脚の2本の足を、飯田さん(同専攻・録音・撮影)が肩に乗せて、っていう人力で撮ったら、演者の人が大ウケして(笑)っていう裏話がありますね」
居塚「これめっちゃ上手いよね」
鈴木「そう。本当によく撮ってくれた」
居塚「飯田さん様様」
鈴木「うん(笑)」
鈴木「あ、言い忘れた。4分55秒くらいの、叫んでるシーンが本当にすごくて。テイク4くらいやってもらって。ズームしていくのと固定とでそれぞれ2テイクずつ取ったんだけど、本当に凄すぎて。音、消してるんだけど」
由良「ああ、そこ!」
鈴木「そうそう、いたよね!」
由良「怖かった。通報されるんじゃないかと思った」
居塚「マジで?そんな?」
鈴木「音消すの、本当に申し訳なかったんだけど」
居塚「何で消したんだよ!」
鈴木「マジで凄かった。叫んで、痛い、痛い、やめて、みたいな。こっちも心が苦しくなってくる感じ」
由良「そう、本当に苦しかった!」
居塚「おーい、ちょっと!聞かせろよ(笑)」
由良「見てて可哀想になってくる」
居塚「えー。そんな」
鈴木「あと心臓の音は、ガチの心臓の音です」
由良「誰の?」
鈴木「自分」
由良「へー」
居塚「(笑)」
鈴木「他に録る人がいなくて。これは工房に行って、心臓の音が録れるマイクとかってありますかって聞いて。その時、荒井さんと陳さん(機材工房の助手)がいて、二人ともええっ、みたいな(笑)いっぱいマイク持ってきてくれて。陳さんとか楽しんでて。できたら聞かせてください!って」
由良、居塚「(笑)」
鈴木「結局、H6の先っちょのところを当てて」
居塚「録れるんや」
由良「綺麗やんな」
鈴木「うん。なんで皆さん是非、録るときは(笑)」
居塚「これさ、フリー音源…」
鈴木「フリー音源の方が綺麗(笑)」
由良、居塚「(笑)」
由良「自分の、っていうのが大事なんじゃない」
鈴木「ああ、確かに」
居塚「だいぶ綺麗に録れとるよな。こんな綺麗やと思わんかった」
『幽谷響無死-YAMABIKO-MUSHI』制作裏話
居塚「これ俺の裏話なんやけど、言うか迷ったけど…日常感を出したくて。でも、それを出しすぎると森じゃなくなる。最初は、芝生で撮影をしようっていう話やったんよね。でも、その日の天気は雨やったんよ。そしたら当日、エグいくらい晴れて(笑)」
鈴木「そうそう」
居塚「雨だからここにしようって、急いで教室予約をしてってやったのに、晴れて。想定通り、芝生で撮れるってなったんやけど、日常感を出したかったから、室内がいいかなって。ここの塩梅が難しいんよね。自分が伝えたいことのテーマと、画面の映像、見せる映像、どっちを優先するかって」
由良「めちゃくちゃ考えてたことが意外と伝わらんかったりする」
鈴木「難しいよね。1番大事だけど1番難しい」
由良「あと、すずしょうと私は虫がヤバかった」
居塚「本当に!(笑)」
鈴木「ね!撮影は6日間で。試行錯誤もあった。そしたら宮坂さんが持ってきてくれた貼るタイプの虫除けのシールがあるんだけど、あれがヤバくて。めちゃくちゃ効いて(笑)一切虫が寄ってこなくて凄かった。虫がヤバかったね」
居塚「ヤバかったね、室内の撮影だったけどめっちゃ刺された(笑)この前期で」
鈴木「毎週撮影があるとさ、常に10ヶ所、10ヶ所って」
『微かな遊泳』 制作裏話
鈴木「蝉もね、後半の方は蝉が鳴き始めちゃって。あ、そう、由良さんの撮影で、蝉の第一号を聞いたんだよね」
由良、居塚「(笑)」
鈴木「なんか、のほほーんとしてたら、急に奥の方からジジジジジって。あれ、これ蝉じゃない?って」
由良「ああ、あったね」
由良「裏話…撮影してた森の裏側が住宅街で。結構生活音が聞こえてて。最初のロングショットの時にめちゃくちゃワンちゃんが吠えてて。別の音に差し替えたっていう」
居塚「実際に来たもんね。片付けの時に、『何してるんですかー』って(笑)」
鈴木「住民の方が?(笑)」
居塚「そう(笑)」
由良「大学の課題で撮ってて、って言ったら、造形大の子?みたいな。で、その人たちに『向こう行ったら蛍が見えるよ』って」
鈴木「あ、それで行ったんだ」
居塚「そうだよ。それで、俺の映画にも蛍が出てきた(笑)」
鈴木「すごい。繋がりが。いいね。点と点が」
居塚「まさに線となって、そして空間を生んで、世界ができた(笑)」
鈴木「素晴らしい」
居塚「裏話もクソもない、ただの振り返りになってきてない?(笑)」
鈴木「確かに(笑)」
居塚「こんなこともあったねーって」
由良「(笑)」
由良「これから作りたい作品とか」
居塚「うーん。もうあるんですか?」
これから撮りたい作品について/鈴木将悟
鈴木「はい、この夏の自主制作で、殺人鬼と女子高生のお話が。まあこの後も集まりがあったりするんですけど」
居塚「ああ、もうこの後に?」
鈴木「そう。なんかね、自分はすごいホラーが撮りたくて。今、目指してるのはやっぱり黒沢清で。黒沢清が大きくて。普通っていうか、幽霊ってさ、バーンっていうのもあるし。なんかいる?っていうのもあるんだけど、黒沢清ってちょっと違うんだよね。あ、もういるって。バーンじゃなくて、基本ゆっくり来るんだよね。あの感じがすごい好きで。あっ、っていう感じ。唐突さがすごい良くて、やりたいなって思って。だから今、頑張ってます。今作ってる作品も、そういう方向性で」
居塚「演者も…」
鈴木「演者は、引き続き続投で但馬さんにお願いしてて」
由良「へー」
居塚「今回は大学生で、次は高校生なんだよね」
鈴木「森本くんと林さんにも」
由良「やっぱり但馬さんの演技がいいなと思って、また?」
鈴木「そうだね」
居塚「演技すごいもんね」
鈴木「うん。すごい。びっくりした」
居塚「すごすぎて、続投」
鈴木「うん、まあ。こういうの作れるかなっていう模索でもあるけど」
由良「何分くらい?」
鈴木「えっとね、長いかも。この夏は、絶対に撮りきれないから後期も撮るかも」
居塚「撮影期間は?この夏の」
鈴木「3日」
居塚「絶対撮りきれん(笑)」
鈴木「これでも6日なのに」
居塚「どこかコンペとかに出すの?」
鈴木「うん、考えてる」
由良「ホラーは演出も大事だよね」
鈴木「そう、空気づくりとかね。難しいけど。それこそ、黒沢清監督とか、はもうあれだよね。空気で恐怖を演出するタイプの」
由良「うんうんうん」
居塚「なんでホラー映画好きなん?」
鈴木「えー、なんかこう迫ってくる感じと、このホラー映画を見た後に、映画が現実の世界の延長線上にある気がするから…?」
居塚「あー、自分の部屋にもいるかも、みたいな?」
鈴木「そう。あぁま逆もあるか、現実の延長線に映画がある」
居塚「これはマジで俺の主観なんやけど、ホラー映画って謎解きみたいな要素がある気がする」
鈴木「あー確かにね笑、『リング』とか、あとは、なんだろ、『残穢』とかね」
由良「黒沢清は、なんか謎が謎を呼ぶ感じがある」
鈴木「あー」
居塚「どんどん分からなくなっていくみたいな?」
由良「そうそうそう」
鈴木「なんか、映画に閉じ込められる感じがあるかも。なんでか知らないけど。…だから勉強します、見て」
居塚「笑笑、卒制にね、それを生かして」
鈴木「はい。あと夏休みのね、自主制作も実はホラーで」
居塚「え、これからミーティングあるやつ?」
鈴木「いや、それともう一個夏休みに作る」
由良「えぇ笑」
居塚「やば笑 ホラーなんや」
鈴木「そう、なんか夜の駐車場を舞台にワンロケーションでやろうかなって」
居塚「いいやん。どこで撮るん?」
鈴木「地元で、地元の友達を集めて…笑」
由良「あーそっか…笑」
鈴木「そう」
由良「あと、エドワード・ヤンの『恐怖分子』っていう映画があって。めちゃくちゃ好きで。ホラーなのかな、サスペンス?演出が凄くて。全部予感させるんだよね。最後の最後で、ああやっぱりそうなるよね、っていう」
鈴木「うんうん、やっぱり演出だよね。『来る』とか」
居塚「あれすごかったね。格好良かった(笑)」
鈴木「ホラー映画なんだけど、格好良い」
居塚「怖がらせにきてない照明の焚き方で」
鈴木「めっちゃ明るかったりするんだよね」
居塚「そう。照明の色も青と赤で」
鈴木「パキッとして」
居塚「MVみたいな。格好良かった」
居塚「MVだったね」
鈴木「ミュージックビデオだった」
居塚「めっちゃかっこよかった」
居塚「ホラー映画って難しいね」
鈴木「難しい…」
由良「それがむずいよね」
鈴木「怖いと面白いは紙一重だと思うんだよね」
鈴木「ちょっとズレたらシュールに見えちゃうし」
由良「あー笑」
鈴木「逆にうまくハマれば、こう。ぐわっと来る感じができるし、それをどうするかって言うのがまた…おもしろいところ笑」
全員「笑笑」
居塚「なんかホラー映画つくってたよね?すずしょう」
鈴木「あー入学前課題みたいなやつで?」
由良「え?それでもホラー作ったの?」
鈴木「ホラーつくって….あれはちょっと全然…ね?直し甲斐が…ありすぎる。あれ自分でもちょっとよくわかってないもん」
居塚「笑」
鈴木「何作ったんだろうって」
由良「それあるよね、結構。映画撮りきった後、これ何の話?ってなる」
鈴木「そうそうそう!笑」
由良「なんでなんだろうね、あれ」
鈴木「これしたいあれしたいみたいな、でこう…」
居塚「ちょっとずつズレてっちゃう」
鈴木「のかな?どうなんだろう」
由良「やっぱ思考とさ映像のズレがある」
鈴木「そうだね」
居塚「あれみたいなもんじゃない?なんか色々ずっと話してて『この話ってどっからきたっけ?』みたいな」
鈴木「あー笑」
居塚「で思い出せないみたいな現象なんじゃない?」
由良「あーそれもある」
鈴木「たしかに近いかも」
由良「撮って行く中でテーマを見つけるっていうのもあるだろうし…グループ制作とかマジでそれだったから。編集してみてこれってほにゃららの話だなみたいな」
鈴木「うん。一回ね。我に帰ったりする。」
これから撮りたい作品について/居塚汐音
由良「居塚くんは?」
居塚「群像劇が好きなんだよね」
二人「あー」
居塚「それぞれの話が少しずつ絡み合っていく」
鈴木「うんうん」
居塚「ちょっとした些細なことが絡み合っていく」
鈴木「はいはい」
由良「村上春樹とかめちゃめちゃそれ」
二人「あー」
居塚「『正欲』だっけ?あれも群像劇だった」
鈴木「あーうんうん」
由良「エドワード・ヤンもめちゃめちゃ群像」
居塚「めちゃめちゃ群像だった笑」
鈴木「群像ね」
由良「ガス・ヴァン・サントの『エレファント』とかさ。あれめちゃめちゃ群像というか。あーこういうことだったのかみたいな。学校の襲撃事件がモチーフになった映画で」
居塚「ネトフリある?」
全員「笑」
鈴木「なさそう」
居塚「U-NEXTだね」
二人「あー」
由良「そう。群像ね。個人制作めっちゃ多かったもんね、人」
鈴木「すごかったよね」
由良「そう」
鈴木「スタッフクレジットもね」
居塚「一番最初に制作した作品も群像だったんだよね」
由良「あーそうね」
鈴木「たしかに」
居塚「人多いの好きなんだろうね」
二人「笑」
居塚「今作も人多いし」
鈴木「多い」
由良「多いね」
鈴木「人が多いって要素だけなら市川 崑の『金田一シリーズ』は見ものだと思いますよ笑」
二人「笑」
鈴木「一番有名なのは『犬神家の一族』とかね」
居塚「出た笑」
鈴木「これは自分が大好きな映画なんだけど」
居塚「確かに人多いね」
鈴木「これ多い。多いし訳わからんくなって来る」
居塚「…ネトフリあるかな」
居塚「あっ、これもU-NEXTか」
今後やりたいこと
居塚「ということでね。なんかありますか?卒制の構想とか」
鈴木「自分はやっぱりホラーで終わりたい」
居塚「最初と最後をホラーで」
鈴木「そう。」
居塚「比較したいね」
鈴木「そうだね」
居塚「マルチ画面で?」
鈴木「尺足りないだろ(笑)」
居塚「怖いんだよね」
由良「でも卒制に回す脚本があるんでしょ?」
居塚「そう。構想ができちゃってるから。これでいいのかなって」
由良「あー」
居塚「終わりとかまで方針が立っちゃってセリフを書くかーって段階だから怖いよねって言う」
鈴木「なるほどね。でもここからブラッシュアップできるからね」
居塚「確かに」
鈴木「まぁ一回先生におくってみて」
居塚「そうだね。今まで誰にも見せずに生きてきたからね」
二人「笑」
鈴木「なーなるほどね」
鈴木「今回初めて?」
居塚「今回初めて先生を信じてみようと思う」
鈴木「信じてなかったみたいな」
居塚「別に信じてなかったわけではないし、間に合わなかっただけでギリギリまで脚本書いてただけなんだけどね。今回時間が結構あるからね」
由良「そうだね。もうちょっとさ、映画を見てその映画について話す会みたいなのやりたい。」
鈴木「うん!」
由良「ゼミでやる?」
居塚「何回かしたことあるよね?」
鈴木「してたけど。見るだけだったね」
居塚「そうだね」
鈴木「夏休み中なんかやりたいけど」
由良「ね」
鈴木「鑑賞会」
居塚「ポップコーン食べたくなるな」
由良「なんかゼミの時に映画2本見て…あれが結構大事な気がする。沈黙だったけど」
鈴木「沈黙の時間だったね。」
居塚「なんか割と俺言語化が苦手で1日置いたらめちゃ感想出て来るんよね」
二人「あーわかるよ」
居塚「だからその場で言えんのよね」
由良「あーわかるなそれ」
居塚「嬉しい。みんなが共感してくれて嬉しい」
鈴木「映画を見た後って一人になる時間って必要なのかな?」
由良「あー」
鈴木「一人になる時間」
由良「映画見にいく時にさ一人で行くか友達と行くかで結構分かれる」
居塚「俺は一人で行くなぁ」
鈴木「最近一人で行くかも」
由良「私はずっと一人…」
居塚「今度みんなで行く?」
二人「笑」
鈴木「でもみんな無言で『どうだった?』もなく帰るんだろうな」
居塚「作品にもよるんだろうな」
鈴木「うんうん」
居塚「だからみんなで観に行こ」
由良「みんなで観に行って無言で…」
鈴木「あ、そこはブレないんだ笑」
全員「・・・」
居塚「まぁこんな時間だよね?」
鈴木「そうだね。3人でいるけどそれぞれの時間があるって言う」
由良「笑」
終わりの言葉
鈴木「そんなところですか?」
居塚「そんなところでしたー!最後何か一言ありますか?これだけは言いたいみたいな?」
由良「うーん」
居塚「まだまだ公開期間ありますから。ここまで文字起こしをご覧になってる人とかに」
由良「ありがたい」
鈴木「ありがたいですよ」
由良「映画はやっぱ一人で作れないから」
居塚「人との繋がりが大事な専攻でしたね」
鈴木「(笑)まぁそうだね」
由良「…但馬さんとはどういうつながりで?」
鈴木「あの人は一年の時に写真の授業で一緒になって一回モデルお願いしてそこで連絡先交換してそこから音沙汰なしで」
由良「あー」
居塚「今回はるばる」
鈴木「今回はるばる主演という形で」
鈴木「でも色々あるだよね。その今回もグループ制作で他の班が食堂でキャスティングしているみたいな、あれやってみたい。いろんな人出したい」
二人「うんうん」
由良「私ずっと出てもらいたい人がいて」
二人「うんうん」
由良「一年ぐらいずっと出て欲しいって思ってるけどまだ言ったことない」
鈴木「もしかしたら卒制でお声をかけるかもしれない」
由良「結局卒制も繋がりみたいな」
鈴木「うん」
居塚「キャスト選びがね」
鈴木「キャスト選びもお話し考えるのもむずい。何を意識したらいいかわかんないからね」
居塚「登場人物が多いとね全員の日程が合わないといけないっていうのも大変だった」
由良「あー、日程ね。…なんで今回但馬さんを主人公にしたの?」
鈴木「演劇をやってたらしくて」
由良「絶対思った!絶対思った!」
鈴木「でもそれを知らなくてその一年の時写真を撮った時に、なんか違うんだよね。なんかこう。見せ方みたいなのがめちゃめちゃうまくて。それを信じて…」
居塚「主演に?」
鈴木「そうなんです。主演にしちゃったんですよ。すみません。」
由良「いやいやいや笑」
鈴木「そしたら、うまっみたいな、、感謝です。」
由良「ほんと演者に助けてもらってばっかりです。」
居塚「そうですよね。」
鈴木「まぁこれからも映画と向き合っていきたいなって感じですね。でもなんかあれじゃないですか?森を巡って改めて自分の考えと向き合う時間があったじゃないですか?」
居塚「そうですね」
鈴木「それって重要ですよね。アイデンティティ的な。作家としてのアイデンティティと自分としてのアイデンティティが二重人格とかじゃなくてま、それをいかにこう表に出して作品に落とし込めるかというところですよね。」
居塚「いいこといった」
鈴木「まぁ我々は映画に向き合い続けるということで」
由良「そうですね、はい。」
鈴木「頑張りましょう」
全員「笑」
鈴木「ありがとうございました」
居塚「えこれほんとに上がるの?」
由良「文字がね」
居塚「じゃおしまいですか?」
鈴木「はい、おしまい。」
02.
PROFILE
鈴木 将悟
2004年生まれ 栃木県出身
東京造形大学 映画・映像専攻領域在学
https://www.instagram.com/suzush0_3015/
主に映画、写真を制作している。
映像の中で視覚的に何が残せるのか、人物たちの心情と向き合って画面の中に何が映せるのかを探求中。
2022
『13秒の風景』16㎜フィルム・課題作品
『癖』ショートフィルム・課題作品
『FOCUS』ドキュメンタリー・課題作品
2023
『劣等』ショートフィルム・自主制作
「映画・映像専攻領域 有志展」グループ展示・上映会
『夢遊避行』脚本・課題作品
『広告A』『広告B』CM・学校祭広報
『心の在処』ドキュメンタリー・課題作品
『放浪する者たちへ』ショートフィルム・課題作品