2006/1/11 up
平野正樹写真展『沈黙の森 タスマニア』の設営風景


[会場] 全労済ホール スペース・ゼロ・ギャラリー
[日程] 2006年1月10日〜18日 10:00-19:00 最終日は17:00終了

樹齢400年のユーカリの大樹林。すべてが、この1枚の沈黙の中にある。
知らぬ間に伐採され、知らぬ間にコピー用紙となり、何も知らされぬまま、私たちは使う。オーストラリア・タスマニア島で伐採されていく天然樹林は輸出用木材チップとなり、その約90%が日本でコピー用紙などの消耗用紙になる。
「1枚の写真にできることはすべてやった」という写真家・平野正樹が、あたかも何ごともなかったかのように振舞うことを強制される社会構造そのものへ、静かに問い詰める写真展。
新宿・スペースゼロのギャラリーで4点の作品が無料で公開される。 たった4点の写真とはいえ、すべて巨大なプリントのため、空間全部が写真で埋まる。 タスマニアの原生林伐採後のパノラマ写真は、ギャラリーの壁一面に展示。
天井から吊るされた切り株写真。切り株実寸代のプリントは迫力がある。コラージュのようにプリントされている。「一枚一枚のズレが時間の経過やいろいろなものを語っている。(平野)」 展示の最終チェックをする平野正樹。
設営中もこの写真の技法や撮影当時の様子を語ってくれる。 360度を平面にした写真には、片側に太陽、片側に平野自身がカメラを構えている影が写っている不思議な写真。
これまで10万人が踏んだ床置きの切り株写真と平野正樹。屋外展示やこの写真をステージにしてダンスなども行ったため、かなりボロボロになっている。「これは俺の宝なんだよねぇ」と平野。