株式会社リコー



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※ CSTJは過去二回、アースデイ東京で芸術家集団 the art. pub (http://www.theartpub.com)とのコラボレーションによるアート・パフォーマンスを企画・公演しています。



オーストラリア本土の南端にある、北海道とほぼ同じ面積をもつ島、タスマニア。
湿潤な気候、清浄な水と土がつくりだす、世界的にも稀有なユーカリ高木とレインフォーレストによる原生林の壮大で美しいパノラマ世界がそこには存在します。
しかしゴンドワナ超大陸時代から生きつづけてきた古代の森も、開発と伐採のために当初の8%しか残っていません。
そしていま、最後の追い討ちをかけられるように、製紙用木材チップ(数センチ四方に切削された木材片)を生産するために、チェインソーとブルドーザーの犠牲となっています。
年間500万トンを超える木材チップが遠くタスマニアから、静岡、青森の製紙工場に運ばれ、コピー用紙をはじめおおくの紙製品に姿を変えてしまっています。
CSTJは、製紙企業とその顧客企業、そしてエンドユーザーである一般の消費者に対して、原生林材をいっさいふくまない紙、原生林フリー紙の導入と使用を提言します。



ほんの最近まで壮大な原生林の森が広がっていた。

芸術作品と報道写真の狭間に立ってタスマニアの老齢樹の巨大な切り株を撮影する写真家がいます。
アートによる社会的参加を模索するパフォーマンスディレクターがいます。
タスマニアを教育と研究のフィールドとする教員と学生達がいます。
コミュニティー住民と地域の原生林保護活動に取り組むタスマニアの留学生グループがいます。
南緯40度のタスマニア原生林と北緯40度の白神山地をむすぶ環境文化交流をめざす学者がいます。

CSTJは、《タスマニアの原生林保護》を合言葉にむすばれた、ゆるやかな市民集団。各人の立場をたがいに尊重しながら、異業種、異分野から交錯しあう接点であり、持続可能な紙消費のあり方をともに考え、それを社会と企業に発信していこうと考えています。

広大な砂漠に覆われるオーストラリアでは森林面積は国土のおよそ5%にすぎません。オールドグロスと呼ばれる原生林は19世紀の英国による植民が始まった時期の8%しか残っていません。いまでも貴重な森林生態系を残すタスマニア(州面積680万ヘクタール)には、顕花植物としては世界最大の樹木(ユーカリプタス・レグナンス、ユーカリプタス・オブリキュア)が繁茂しています。また、北西部のターカイン(10万ヘクタール)には、ゴンドワナ大陸時代から生きつづけている、オーストラリアで最大の温帯性雨林地帯が広がっています。州面積の40%は国立公園、世界自然遺産、その他の保護区の指定を受けて保護されています。
しかし、これら保護地と同等の、あるいはそれを超える保護価値をふくむ原生地域は、依然として伐採の脅威にさらされています。最大の脅威は、木材チップを生産するための伐採とその跡地におこなわれる産業植林です。タスマニアは先進国オーストラリアのひとつの州でありながら、貿易による経済的な利益のために貴重な森林資源を、日本をはじめとするアジア諸国に輸出しています。

欧米の企業のあいだでは木材や紙など林産物にかかわる調達基準として、オールドグロス林など保護価値の高い森林から生産される原料を使用しない方針を打ち出す事業体が増えています。
カナダの出版社、レインコーストブックス(Raincoast Books)は原生林保護を目的とするいくつかのNGOと協力して、世界的な大ベストセラー小説『ハリー・ポッターとフェニックス勲章』のカナダ版を<原生林にやさしい紙>、すなわちバージンパルプをいっさい使わない、100%回収古紙による原料によって印刷・出版しました。<原生林にやさしい紙>をつかうことによって、39,000本の天然林が伐採からすくわれました。効果はそれだけではありません。同社の環境への取り組みはおおくのメディアから取材され、グリーン企業としての「広報」につながったといわれています。
日本でも紙原料調達の基準に、原生林材をつかわないことを宣言する企業がすこしずつ増えています。株式会社リコーは2003年6月、「紙製品に関する環境規定」を制定し、紙製品などの仕入先企業に対し、「保護価値の高い森林(オールドグロス林、原生林、もしくは絶滅危惧種の生物が生息する自然林など)の保護」を供給基準として課しました。