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(建築)と(映像 を巡る

大学
原田凜香



”建築を映像として残したい”そんな気持ちから始まった。

題材として自分の大学を選んだ理由は、普段の大学を建築の面から見ることでどのような発見があるのかと思ったからである。
様々な視点や角度から大学を切り取り、模索しながら映像に収めた。撮影の中で気づいた事がある。全体的に直線的で図形的な印象を受けるのである。そして、撮影の途中から無意識に図形的な造形をどの角度で美しく映像で切りとるかを考えているのである。

これは、映画映像であり大学のプロモーションであってはならない。それを意識して撮影を行った。映像というツールを用いてどのように建築の面白さを伝えるかまたは、建築を映像に残すかそれが課題であった。
部分的に建築を切り取り映像に移す手法を用いた。これにより建築の全体図はわからない。しかし、それぞれの気づき発見はあるだろう。手探りであったが、これを通し面白さや興味を持って頂けたら嬉しい。

原田凜香
東京造形大学デザイン学科室内建築専攻3年

・好きな建築/旧岩崎邸や鳩山会館、旧朝香宮邸などの洋館建築。
最近、名古屋の揚輝荘を訪れ窓や壁、インテリアの意匠の美しさに感動しました。
・興味のある事/洋館建築の関連で最近ステンドグラスに興味を持っています。いつか授業で知ったアギア・ソフィアのステンドグラスを見てみたいと思っています。もちろん建築も含め大変興味を惹かれました。
・趣味/読書、ミステリーやサスペンスのジャンルが好きです。暇さえあればスマホで活字を読んでいます。


 
 
コメント

 建築の写真家の人たちは広角レンズで真正面から撮るんです。煽り補正してまっすぐあくまでも物凄く決まったものとして撮る。スタティックな完璧な完成形として建築を撮る。映画の人たちはそうではないじゃないですか。つまり何かしら考え方があって撮っていくことになると思うんです。自分の人の目線で面白い部分を止まって撮る、切り取ってみる、つまり全体像がない。じゃあ、そこだよね。テクスチャって訳でもないよね。形なのかテクスチャなのか、グラフィカルな面白さなのか。さっきの数字とか出てくるところを見るとグラフィカルな面白さな訳じゃん。でも、コンクリートの面を執拗に撮っているところを見るとテクスチャなのかなって気もする。
 
 まず、部分に関心があり全体像は重視していない。それは視点として良いんじゃないですか?面白いっていうかね。それって建築の計画者の視点じゃないよね。だから、経験していく人達の目線も問題ってことですね。つまり、無目的な視点?散歩しているにしたって目的があって散歩している訳ではなく、単に自分の身長に合わせて見えてくるもの、ってところですかね。あとは自分が何を見てたかですよ。自分の視点を撮った映像で確認している感じ。だから、実のところ建築のっていうよりか自分の映画って感じかな。私ってどんな関心があるのっていうみたいな話で。だから客観性はどうでもよくて主観的なものとしてという。それでたまたまそこにある、見てたのが建築の壁面とかですよ。でもやっぱり全体の構成とか、力学的な問題っていうのは見ていなくてあくまでも表面を見つめていてって感じかな。
 建築をみるって様々ですからね。最近は構造だの平面だの構成だのではなくて材料みてますっていう、質感を物質性を見てますって感じあると思うんで。私もそうなんですけど。そういう見方だと思う。ていう感じで自分の主観が分かったって感じじゃないですか?
 でもあれですよ、建築と映像の話って結構ある話で。一通りいるんで。建築好きな人って結構映像系好きだから。私は止まっている系なんですよ。つまり写真。写真好きな人いっぱいいて、もう一つは映画系の作品で。これは一眼で撮らなかったのね。一眼でムービー撮れるじゃないですか。あれだったら相当被写体深度とかいじれるからね。いまみたいにスタティックに撮ってるんだったらそれは全然可能だよね。そうやってくると奥行き表現ができるじゃないですか。いま見たのは全部すごく平面的な奥行きのない世界っていうか。だから建築的なって言われても奥行きのない建築って感じだから、やっぱり表面のマテリアルの話だったりって感じがするよね。
 

上田 知正
ウエダ トモマサ /UEDA Tomomasa
東京造形大学 室内建築専攻領域 教授