『氷が溶けるまで』
目覚めてから今日はどんな服を着ようか、どのリップがいいか、何かと忙しい女の子の
朝の時間。朝は1分という時間でさえ貴重な時間だ。なぜ、女の子はその時間が貴重
であるのか。時の流れは早くも、この作品では女の子の朝の時間を優雅に、そして
ゆっくりとした動きに変え、女の子の身体の動きにクローズアップしていく。
監督・撮影・編集 田中実結 出演 イム・グン
可愛く見られたいし、綺麗でいたい
だからこそ、朝の時間の中で
私は私を彩りたいの
作品解説
朝起きてから家を出るまで皆さんはどのように過ごしていますか?
私はいつも朝という時間を感じる前に家を出てしまいます。その中でメイクや服、ヘアセットなど抜かり無く猛スピードでこなしていきます。だからこそ、ゆったりとした女の子の朝の時間に憧れ、この時間が一番欲しいからこそ作品を通して手に入れたいと思いました。
女の子にとって朝の時間は貴重でありながら勝負の時間でもあります。女の子が女の子として自分を彩っていく時間は、誰も知る由もない神秘的な時間のように感じました。家を出る前に鏡の前に立って、好きなもので彩った自分の姿を見る、その瞬間こそ女の子が自信に満ち溢れている瞬間なのかもしれません。そんな朝の美しい女の子の時間に入り込んでいきたいと思い、この作品を制作しました。
監督プロフィール
田中実結(20)2001年5月22日 埼玉県出身
埼玉県立芸術総合高等学校卒業
東京造形大学映画・映像専攻領域在学
高校で映画制作について学び始め様々なジャンルの映画、映像を制作してきた
まだまだ成長途中であり模索する日々だが、現在は”爽やかな物語と重い映像”
というものをコンセプトに制作を行っている
対談者プロフィール
加藤愛望(20) 2001年生まれ
東京造形大学映画映像専攻領域在学中
どうしても欠かせないメイク道具はアイライン
朝は暖かい紅茶派
朝はゆっくり、家を出てからは小走り
~Girls Dialogue~
田中:お願いします~
加藤:お願いします(笑)
田中:改まって話すの恥ずかしいね
加藤:なんか笑っちゃう
女の子の朝の時間にフォーカス
田中:なんで私が今回あいみちゃんと対談したいなって思ったかっていうと
あいみちゃん自身がとっても女の子らしいし、一緒に過ごしてみて
髪型とかファッション、メイクをすごく楽しんでいるように見えたのね
自分が可愛くなるための努力をしてて、女の子としての鏡のような存在だと
思って、この作品の中でも女の子が主人公だけど「女の子」ってどういう
生き物なのか話してみたいなと思ったからお願いしたんだ
加藤:私はそういうふうに見えてるんだね(笑)
私はこの映像を見て実結ちゃんに聞きたいなって思ったのは
実結ちゃん自身が朝の時間を特別に思ってて、特にメイクしたり髪の毛セットしたり
その行為に意味を見出して魅力を感じてるんじゃないのかなって感じた
優雅な朝の時間て言ったら朝ごはんをゆっくり食べるとか色々あったと思うけど
どうして今回は外に行く準備っていうことにフォーカスして制作したの?
田中:うーーん
私自身ちょっと男の子っぽい性格なところもあるからメイクとかファッションとか
好きになって目覚めたのも本当に高校生になってからだったと思うの
それまで全く興味なかったわけじゃないけど、高校の時にメイクとかファッションが
好きな女の子と友達になって、その子に影響されて自分も女の子として可愛くありたいと
意識しなきゃいけないなってそこで思ってYouTubeとかで『メイク初心者用』
みたいな動画を観てその人がお勧めしてたメイク道具をとりあえず真似して全部揃えたり
してそこからメイクとか本格的に始めたんだ
最初はファンデーションの一つでも自分の顔に塗った時の不思議さと感動は
多分もうあの時でしか感じられない特別な瞬間だったかもしれないなって今思った。
でも今ではそれが当たり前になってるなって、、、
加藤:毎日することだからね
田中:当たり前になってしまったからこそ、コンビニ行くにしても最低限のメイク
をしないと外に出れなくなっちゃったし自分が変わったなって本当に思う
でも、メイクするのって苦じゃないっていうか逆に今日は何色のアイシャドウにしようとか
考えることが楽しいって思えてるんだよね
加藤:なんかそれって不思議だよね!
よくメイクとかって時間とかかかるし大変だねってやらない人から見たらそうやって
言われるけど、私もメイクとかその時間が苦じゃないんだよね
ただ顔に色を塗ってるだけなのになんでこんなにワクワクするんだろう
ファッションに合わせてメイクしたり、「今日のアイライン上手くいった!」とか
「ビューラーでまつ毛くるくるいい感じ」とかそれだけのことなのに今日のメイクいいかも
って思えるとその日一日の気分が上がるっていうか自分の自信になってるよね
田中:外を歩くときにスッピンの時とメイクしてる時の自分だったら
やっぱりメイクしてる時の方が自信もあるし自分が強くなれるような気がした!
当たり前にこなしちゃってる今だからこそ、この作品での優雅さは朝ご飯とかじゃなくて
忙しい朝の時間の中でも丁寧にメイクするとかヘアセット、服選びの時間はどうしても
捨てられない時間だなって思ったからあえてそこにフォーカスして自分を彩っていく大切な
時間として映し出したかったんだよね
夜じゃなくて朝
加藤:今話ししてて思ったのは私は朝だけじゃなくて夜とか時間があるときに新しいメイク
道具をバーっと広げて色々挑戦することがあるんだけど、どうしてその夜の時間
じゃなくて朝だったのかなって
田中:そうね、、、なんで朝なのかっていうと女の子じゃなくても朝の時間ってみんな
共通してある時間なんじゃないのかなって、学校に行くにしても会社に行くにしても
その人が朝起きて家を出るまでに”ON”に切り替わる瞬間みたいなのは男女関係なく
あるのかもなって思った
最近朝起きれなくてやばいって焦りながらもやっぱり身支度に手は抜けないっていうか
猛スピードでこなしながらも好きなもので自分を彩っていきたいし、最短でもちゃんと
見えるようにしてるんだよね!メイクも全部の工程を出発直前でも絶対にするっていう
その時間は譲れないみたいな(笑)そういう時間って朝しかないなって思ったから
今回の作品は夜じゃなくて朝にしたんだ
加藤:女の子って外では完璧な姿でしか会えないから朝のその時間って見えない時間だし
特別だなって思った
爽やかな朝と身体
田中:今回の映像は光とかふわっとした映像になるように心がけたんだけど
あいみちゃん的にはその映像がどう見えた?
加藤:特別な朝の時間っていうのが伝わってきたし白昼夢みたいだなって
現実だけど現実じゃないような世界に私は感じられた
だからただの日常的な風景だけでは見れなかったんだよね
でもどうして光とかふわっとした夢心地みたいな映像にしたのかなって気になった
田中:そうだな、、
爽やかでちょっと涼しい朝っていうのを感じられる映像にしたかったのと
私の今のテーマとして爽やかな物語と重い映像を自分の作品のスタイルとして
構築中なんだ!なんでそのテーマに行き着いたのかと言うと私は自分が好きな
映像と作品作りで考えていることが真逆のような気がするの
それは何かって言うと私が好きな映像は綺麗でそれこそ光とかが特徴的な
映像が好きなんだけど、私が実際に撮るものとか人の動き、考える物語とかって
どこか重くて暗くて人間性のあるようなものを撮ったり、考えたりしちゃうから
一見真逆に見える2つを合わせて作品として制作出来ないかなって思ったんだよね
だから今回は物語と映像の雰囲気は女の子の爽やかな朝にして、カメラには人間の
身体の動きが重く映るように身体に寄って撮影したんだ
加藤:朝って人によってイメージとか様々だろうし今回の実結ちゃんが感じた朝の時間って
ただの日常的な朝の時間だけじゃなくて、女の子の特別で爽やかな神秘的な時間って
いうのが現れてる作品だなって思ったよ
どうしても譲れない
田中:ここまで結構真面目に対談したから最後は究極の質問(笑)
ほんとにマジで朝時間がない時ってスッピンで大学行ける?
加藤:いや、アイラインだけ絶対持っていく
田中:なんでアイラインなの?(笑)
加藤:え、目はさ、違うから(笑)せめて最後の足掻きで持っていくだけはする!
時間がなくてもアイラインとファンデーションだけはとにかく持っていく!
田中:これは譲れない必需品だね
加藤:私はメイクしてた方がテンションが上がるし自信もつくから
メイクしてない普段の私よりかは自分のことを可愛いって思えるし
素敵な自分の方がいいじゃん?
田中:そうだね!だからどんなに時間なくてもアイラインとファンデーションだけは
持っていくって感じなのか(笑)
加藤:そう!絶対にアイラインとファンデーションだけは持ってく(笑)
でも1番は髪型かなって
髪型がちゃんとしてれば最悪メガネさえすれば。。。
今マスクしてるからいいかなって思う
田中:確かに!私は最後にリップ塗るとテンション上がるし気合が入る!
やっぱり自分の身だしなみはどんなに時間がなくても捨て切れ無い。。。
でも女の子って大変だけどなんだかんだ楽しいよね(笑)