十一月の演目

井筒・野宮 (いづつ・ののみや)

 

 

観世寿夫も詳しく比較した複式夢幻能の代表としての両曲を、序破急三段に分けて謡ってみる試み。

 
出演 清水寛二(舞・謡)
策士 飯名尚人
 
2024年11月7日(木)
時間 18時30分開場 19時00分開演 
料金 3,000円
会場 青山 銕仙会能楽研修所4階
〒107-0062 東京都港区南青山4-21-29
東京メトロ「表参道」駅下車(銀座線・千代田線・半蔵門線)
A4出口より徒歩3分
http://www.tessen.org/map

予約フォーム
https://forms.gle/JqebrJNBfXMqAhCS9


「井筒」世阿弥作
井筒の作り物 荒れ果てた在原寺
伊勢物語による在原業平と紀有恒の娘の恋が語られ、有恒の娘の霊が舞う

「野宮」金春禅竹作
鳥居の作り物 荒れ果てた野宮
源氏物語 光源氏と六条御息所の恋が語られ、御息所の霊が舞う

十二月の演目

山姥(やまんば)

 

 

 
出演 清水寛二(舞・謡)
策士 飯名尚人
ゲスト 高橋アキ(ピアノ)

2024年12月21日(土)
時間 16時30分開場 17時00分開演(19時00分終演予定)
料金 4,500円(40席限定)
会場:両国門天ホール(両国) 
〒130-0026 東京都墨田区両国1-3-9ムラサワビル1-1階
・JR「両国駅」西口より徒歩5分
・地下鉄都営大江戸線「両国駅」A4、A5出口より徒歩10分
・地下鉄都営浅草線「東日本橋駅」より徒歩10分


ご予約フォーム https://forms.gle/kTAQ53VZD5UAqeV36

山姥
京で「山姥の曲舞」を謡って評判をとった遊女・百万山姥は親の追善のため、信濃国善光寺へと向かい、越後越中の境川より険しい山道・上げ路越にかかるや、俄かに日が暮れてしまう。どこからともなく女が現れ、一行を自らの庵に泊まらせるが、「山姥の曲舞が聞きたくて日を暮らしたのさ。早く謡いなよ!だけど一体誰のおかげでその名声を手に入れたと思ってんだい。私のことを謡って!」やがて月下に本体を現した山姥は、自然界の摂理や四季、山廻りの様子を本来の曲舞の形に謡い舞い、峰に翔って去ってゆく。「よしあしびきの山姥が山廻りするぞ苦しき」「春は花を尋ねて、秋は月見る方にと、冬は雪を誘いて、山廻り」さて、しみかんも十二月を巡って最終回。能『山姥』の『雪月花之舞』という小書(異演出)では雪月花三段の舞を舞う。今回は高橋アキさんによるピアノ版“雪月花” を。

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解説

 

能の最小単位を探る旅


能の様式を削るだけ削って、それでもこれは能である、というものを見つける実験もしくは挑戦。︎季節、場所に合わせた演目で、毎月どこかで清水寛二がひとり能を演じます。

“二曲三体”
世阿弥の大事な演技論の一つ。伝書でも「至花道」や「花鏡」などに述べるほか、「二曲三体人形図」を残している二曲=舞+歌(謠)三体=老体+女体+男体シテの役に扮するについて大事な考え方だが、声についてはそれぞれの役について「横の声」「主の声」、また「祝言の声」「望憶の声」などを使い分け・混合させていかねばならない。シテ方の修行はそこであるが、実際は立ち方だけでなく、「地謠の声」も作っていかねばならない。(後見という役も修行しなければならないが。)役に扮している時も、地謡が謡っていてくれる時は、地謡にお任せだ。地謡は、なかなかに面白い。音色というだけでなく、拍をどうとるかも大事なこととなる。四体ともいうべきかそして、一人で一曲を謡う時、能の舞台では決して演じることのない「ワキ」の声は、自分で謡っていて、「あれ、これはワキになってないな。」と思う。しかし、謡ってみることが大事。さて「雪月花 しみかん十二月往来」ではどうか。

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これまでの演目

 

一月の演目

葛城 (かづらき)

作者未詳
 
出演 清水寛二(舞・謡)
策士 飯名尚人
ゲスト 松田弘之(笛)
 
日時 2024年1月11日(木) 開場 18:30 開演 19:00
料金 3,500円+1ドリンクオーダー
会場 曼荼羅(東京・吉祥寺)

二月の演目

求塚 (もとめづか)

能と地獄。
若菜を摘む女…地獄で苦しむ女…
清水寛二が熱く恐ろしくも美しく
ひとり能を演じます。

 
観阿弥 作
 
出演:清水寛二(舞・謡)
策士:飯名尚人
 
日時 2024年2月11日(日) 開場 14:30 開演 15:00
料金 3,000円(1ドリンク付き)
上演後、座談会あり。
 
会場:スタジオ サイプレス
〒165-0027 東京都中野区野方2-24-3
JR中野駅から徒歩約18分、JR高円寺駅から徒歩15分)https://studiocypress.tokyo/wp/access/

三月の演目

隅田川 (すみだがわ)

子を尋ぬる狂女。
春、夕暮れの隅田川、女を乗せた舟がゆく…
我もまた いざ言問はん 都鳥

 
観世元雅 作
 
出演:清水寛二(舞・謡)
策士:飯名尚人
 
日時 2024年3月5日(火) 開場 18:30 開演 19:00
料金 3,000円
 
会場:両国門天ホール
〒130-0026 東京都墨田区両国1-3-9 ムラサワビル1-1階
・JR「両国駅」西口より徒歩5分
・地下鉄都営大江戸線「両国駅」A4、A5出口より徒歩10分
・地下鉄都営浅草線「東日本橋駅」より徒歩10分

制作協力:(株)マルメロ
 

四月の演目

小塩 (おしお)

春の夜の亡霊…
恋多き男、在原業平が
桜咲く小塩山でかつての恋愛を想う

 
金春禅竹 作
 
出演:清水寛二(舞・謡)
策士:飯名尚人
衣装協力:さとうみちよ
 
日時 2024年4月14日(日) 開場 16:30 開演 17:00
料金 3,500円(1ドリンク付)
 
会場:葉月ホールハウス
〒167-0041東京都杉並区善福寺2-30-19
・荻窪駅、西荻窪駅、吉祥寺駅、上石神井駅からバスまたは徒歩で。
・アクセス方法 https://hazukihh.exblog.jp/8858048/

 

 

五月の演目

頼政 鵺 (よりまさ ぬえ)

鎮魂と修羅。
敗れし者の声。世阿弥の修羅能。

 
世阿弥 作
 
「頼政」 作・世阿弥 源氏の名門に生れながら、平家の政権に永く留まり、ついに反旗を翻し、宇治川の合戦に敗れ自害して果てた。宇治の閑雅な風景に現れた頼政の霊は自害に至るまでの宇治の合戦の様子を語る。

「鵺」 作・世阿弥 御所の帝を狙い、頼政に射落とされた怪物・鵺は、頭は猿、手足は虎、尾は蛇、鳴く声が鵺に似るという奇怪なもので、空舟に封じ込められ淀川に流された。その鵺の霊が現れ、自ら退治される様を語る。
 
出演:清水寛二(舞・謡)
策士:飯名尚人
 
日時 2024年5月26日(日) 開場 17:00 開演 17:30
料金 3,000円(1ドリンク別)
 
会場:ムリウイ
東京都世田谷区祖師谷4-1-22-3F
小田急線「祖師ヶ谷大蔵駅」より徒歩7分
・アクセス方法 https://www.ne.jp/asahi/cafe/muriwui/info.html

 

 

六月の演目

藤戸 (ふじと)

 

 
作者不詳
 
出演:清水寛二(舞・謡)
策士:飯名尚人
映像:「白衣の男」大野慶人
映像協力:NPO法人ダンスアーカイヴ構想
 
日時 2024年6月30日(日) 開場 18:10 開演 18:30
料金 3,000円(1ドリンク別)
 
会場:カフェ アンリファーブル(座・高円寺 2階)
JR中央線「高円寺」駅 北口を出て徒歩5分
・アクセス方法 https://za-koenji.jp/home/index.php
 

七月の演目

通盛 (みちもり)

 
阿波 鳴門浦、
一艘の舟に夫婦の姿。
平家物語「小宰相身投」を題材に世阿弥の修羅能。

 
井阿弥 作
 
出演:清水寛二(舞・謡)
策士:飯名尚人
 
日時 2024年7月18日木曜  開場18:40 開演19:00
料金 3,000円
会場 アトリエ第Q藝術 
小田急線「成城学園前」駅より徒歩3分
東京都世田谷区成城2丁目38−16
アクセス方法 https://www.seijoatelierq.com/map
 
 

八月の演目

世阿弥の五番 (ぜあみのごばん)

 
古より、異なる題材・構成の能を1日に演じ・興じた五番立て“神・男・女・狂・鬼”。

 
世阿弥 作
 
出演:清水寛二(舞・謡)
策士:飯名尚人

13:00 一部 「高砂」
14:30 二部 「敦盛」
16:00 三部 「井筒」
17:30 四部 「砧」
19:00 五部 「野守」
 
チケット
1演目  1500円
通し券 5000円
 
日時 2024年8月20日(火)
会場 アトリエ銘苅ベース
ゆいレール「古島駅」から徒歩8分
沖縄県那覇市字銘苅203番地
アクセス方法 https://www.m-base.okinawa/access/
 

九月の演目

楊貴妃 (ようきひ)

 
 

白楽天の楊貴妃と玄宗皇帝の愛と別れの物語
「会者定離ぞと聞く時は 逢うこそ別れなりけれ」

 
金春禅竹 作
 
出演:清水寛二(舞・謡)
策士:飯名尚人

2024年9月15日(日曜)
16時30分開場/17時00分開演(19時終了予定)

会場 桜匠館
京王井の頭線「浜田山」駅より徒歩7分
〒168-0065 東京都杉並区浜田山4丁目10−8

料金 3,000円

『楊貴妃』について
金春禅竹作。白楽天の楊貴妃と玄宗皇帝の愛と別れの物語『長恨歌』をたっぷりと素材に使った能。玄宗皇帝より、楊貴妃の魂のありかを探せとの命を受けた方士は、天地を探し回り、ついに東方の常世の国「蓬莱宮」に至り、楊貴妃の姿を見つけ、玉の釵と二人の「天にあらば比翼の鳥とならん、地にあらば連理の枝とならん」との契りの言葉を形見に頂き都へと帰っていく。霊が主人公ながら「現在能」の形をとり、通常の「夢幻能」ならば現世の舞台に幕の向こうより橋掛を通って霊がやってくるのだが、この能では舞台が異界であり、そこに玄宗の使いがやってくるという形をとっている、金春禅竹の傑作。前半部分は楊貴妃は宮の作り物の中でほとんど動かず、自らの生涯を語る段になって、基本的な型を効果的に使い、運命と玄宗との契りを語り舞い、そのあとじっくりと『序之舞」を舞い、また宮の中に一人じっと留まって曲は終わるという構成。「会者定離ぞと聞く時は 逢うこそ別れなりけれ」

桜匠館について
会場となる「桜匠館」は、日本の伝統構法技術の建築資料館です。日本古来の伝統的な建築技術に徹底したこだわりを持ちながらも、それは過去の遺産ではなく、これからの建築技術の伝承館として、そして次世代に伝承していくために建てられました。 清水寛ニの謡と舞、そしてこの空間とのコラボレーションをお楽しみください。
 
 

十月の演目

江口 (えぐち)

 
世阿弥 作 観阿弥 原作
 
出演:清水寛二(舞・謡)
策士:飯名尚人

2024年10月14日(月・祝)
時間 16時30分開場 17時00分開演(19時00分終演予定)
料金 3,000円

会場 ストライプハウス(六本木) 
〒106-0032東京都港区六本木5-10-33-3F
六本木駅3番出口より徒歩4分
https://striped-house.com/map1.html
 
「江口」について
世阿弥は、『五音』という伝書の中で「江口遊女 亡父曲」と書き、観阿弥作の音曲を使ってこの『江口』を仕立てたらしい。江口の里は淀川河口の繁盛した港で、かつては上下の船が遊女たちにひかれた。旅の僧が西行の歌「世の中を 厭ふまでこそ 難からめ 仮の宿を 惜む君かな」をふと口ずさむと、「さのみは惜まざりしにし」と女が現れる。後場、歌を唄いながら屋形舟に乗った遊女たちが現れる場面はこの曲独特の音曲構成で表され、「序之舞」もかつては「平調返」という独特の譜を奏したという。終曲部で遊女は普賢菩薩となり白象となった舟に乗り、光とともに西の空に上っていく。「十訓抄」の性空上人の夢の説話などを格調高い能に仕立て上げた。
 

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アーティスト

 

謡・舞

清水寛二

能役者。早稲田大学在学中に山本順之の指導を受け、銕仙会(てっせんかい)に入門。故観世寿夫、故八世観世銕之丞、九世観世銕之丞に師事。銕仙会や西村高夫と共宰の「響の会」などで古典能の上演を続ける一方、新作能 『沖縄残月記』『長崎の聖母』『望恨歌』『ヤコブの井戸』などの演出、シテをつとめる。佐藤信演出『霊戯』、田中泯演出『カラダハコレカラダ』、小池博史演出『風の又三郎』、河内大和演出『リチャード二世』、結城座(江戸糸あやつり人形)の作品などにも出演。琉球の組踊、韓国の農楽などの伝統芸能との共同舞台「日韓琉 鎮魂のまつり」2024年6月演出。2018年よりピアノの高橋アキらと青山実験工房を催している。2005年から10年沖縄県立芸大非常勤講師。座・高円寺演劇創造アカデミー講師。

策士

飯名尚人

映像作家・演出家。2002年Dance and Media Japanを設立、「国際ダンス映画祭」主宰。オンライン舞踏番組「Re-Butoooh(リブトー)」編集長。東京造形大学教授。映像・言葉・身体を融和させる演出法による作品を制作。演出作品『アジール』(2011・西松布咏 主演)は各地の寺院にて上演された。『熱風』(2014・京都芸術センター)では、首里劇場をロケ地とした短編映画を監督。ダンス映画の監督作品として『三|THREE』は、Jumping Frames (香港・2022)にてアジア賞受賞など、各国で受賞。大野慶人のドキュメンタリー『愛の夢』は、国際ポートレートフェスティバル(ブルガリア・2022)にて優秀作品に選ばれた。現在は、舞踏家・今貂子との共同作品『おんなのぼくしさん』を制作中。

 

 
 

映像

撮影・編集 飯名尚人





 
 

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